伝統的工芸品として認められた当店の歴史ある木目込人形・ひな人形
「伝統的工芸品」とは、ただ単に伝統ある工芸品というものではなく、法律上、製造過程の主要部分が手作りであったり、一定の地域で産地を形成していることなど必要な要件を満たしていなければ「伝統的工芸品」ではありません。「伝統工芸士」の称号は伝統的工芸品の産地を通じて(財)伝統的工芸品産業振興協会が実施する伝統工芸士試験に合格して取得できます。また、国の伝統的工芸品とは別に、埼玉県では岩槻の江戸木目込人形を「無形文化財」として指定しております。
伝統的工芸品とは
「伝統的工芸品」は法律に基づき、経済産業大臣が指定したものです。
したがって、どんなに素晴らしい作品であろうとも、要件を満たしていないものを勝手に「伝統的工芸品」と表示してはいけないのです。
この法律とは、昭和49年5月25日に公布された「伝統的工芸品産業の振興に関する法律(伝産法)」であります。
「伝統的工芸品」という呼称も、この法律によって定められています。
「伝統的工芸品」に必要な要件とは…
1.主として日常生活で使われるもの
2.製造過程の主要部分が手作りであること
3.伝統的技術または技法によって製造されていること
この「伝統的」とはおよそ100年間以上の歴史があるということであります。
4.伝統的に使用されてきた原材料を使用していること
これも100年間以上使用されてきたもの、あるいは、持ち味を変えない範囲で同種の原材料が使用されているものです。
5.一定の地域で産地を形成していること
この産地とは、従事者が10企業以上または30人以上いる地域をいいます。
私どもの工房、新井人形店がある、さいたま市岩槻区も、東京都とともに江戸木目込人形の産地として、経済産業大臣より指定されています。
なお、現在人形に関しては江戸木目込人形のほかに、岩槻人形(埼玉県)、宮城伝統こけし、(宮城県)、江戸節句人形(東京都)、駿河雛具(静岡県)、駿河雛人形(静岡県)、京人形(京都府)、博多人形(福岡県)が伝統的工芸品として指定されています。
以上のように、「伝統的工芸品」とは、ただ単に伝統ある工芸品というものではなく、法律上、必要な要件を満たしていなければ「伝統的工芸品」ではないのです。
伝統工芸士とは
意外と勘違いされている方も多いのですが、伝統産業に従事している職人すべてが「伝統工芸士」であると思われている向きもあろうかと思います。
しかし、実は各、伝統的工芸品の産地を通じて(財)伝統的工芸品産業振興協会が実施する伝統工芸士試験に合格しなければ、伝統工芸士の称号は取得できません。
正確には「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」第24条第8号の規定によるものです。
具体的に伝統工芸士の試験とは、全国共通の学科試験と実技試験が出題されます(私のころは産地ごとの専門の学科試験もありました)。
受験資格としては「12年以上の実務経験年数を有し、産地内に居住していること」とされております。
(試験の結果、当然すべての受験者が合格するものではありません)
思い起こせば私は平成8年に伝統工芸士になりまとした。
※当時は通商産業大臣の認定資格でありましたが、現在は一般財団法人 伝統的工芸品産業振興協会代表理事の認定となっています。
私も含め、すべての伝統工芸士は「日本伝統工芸士会」に入会しております。
現在総勢4,441名の団体です。
「日本伝統工芸士会」の会則には、「伝統的技術保持者としての自覚を高め、その社会的地位の向上に努めるとともに、相互の親睦と情報交換を行うことにより伝統的技術・技法の継承・向上を図り、わが国の伝統的工芸品産業の振興に寄与することを目的とする。」とあります。
埼玉県指定無形文化財「江戸木目込人形」
国の伝統的工芸品とは別に、埼玉県では岩槻の江戸木目込人形を「無形文化財」として指定しております。
これは、特定の個人を無形文化財としているものではなく、分業で完成される、産地岩槻の木目込人形の高度な技術をもった職人の集まり=「岩槻江戸木目込人形技術保存会」に対して「埼玉県指定無形文化財 岩槻江戸木目込人形」の保持団体と認定しているものです。
私、新井久夫も現在会員(会長)として岩槻江戸木目込人形技術保存会に所属しております。
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